本記事
http://sports.espn.go.com/espn/eticket/story?page=darvish
日本語訳
http://assets.espn.go.com/i/eticket/20080509/pdf/yu_darvish.pdf
ちゃんと取材してある記事。日本野球の現状に関する分析もほぼ正しい。松井がいなくなったから読売の人気が落ちたという物言いは疑問だけど。
ダルは以前から「メジャーには全然関心ない。メジャーに行くぐらいなら野球をやめる」って言ってるけど、こうまで騒がれるとその気になっちゃう……というか、行って当然、行かなきゃおかしいみたいな風潮になりそうで、それがいやだ。松坂みたいに、常々行きたくて仕方ないみたいな願望を口に出してれば覚悟もできるが、いきなり「やっぱメジャーいきまーす」みたいなことを言い出したら……考えたくもないですわ。
もうダルに関しては好きだとかファンだとかいう次元をはるかに超えて、ファイターズのファンにとっては(もちろん私もそう)生きる支えみたいなことになってるから、もし本当にメジャーに行っちゃったら、すごい喪失感だろうと思う。おそらく、どうでもいいや……みたいな諦めの心境になっちゃうだろうな。
あいかわらずお父さんはメジャーにいかせたくて仕方がないみたいだし、無責任なメディアや、金儲けしたい連中も全員そう願ってるだろう。もしかしたら球団も、年俸が高騰して払いきれなくなる前にポスティングで売り飛ばせばいいとか思ってるかも。つまりダル自身はその気がなくても、外堀が埋められて「行かざるをえなくなる」ことになる可能性がある。
前にも書きましたが、ここで1発「この先、なにがあろうとぼくは生涯ファイターズの選手です」とでも宣言してくれれば、ほんとに拍手喝采なんだけどね。言ってくれないかなあ。こういう選手は、絶対に代替がきかない。ダル本人が自分の意志で行きたいというなら別だけど、こういう選手はどんな僥倖があったって巡り会えるものじゃないってことを、特に日本ハム球団のエライ人にははっきり自覚してほしいものです。
(追記)青空百景さんのブログによれば、今年の春にダルが大魔神佐々木とTVで対談し、こんなやりとりがあったそうです。以下、一部引用します。
高校の後輩ダルビッシュがメジャーと聞いても別段目を輝かせる風でもないことに、いたく得心がいかないらしかった佐々木様。それはそうだと思います、自分にとっては「一段高い場所で苦労をし、栄光を手にした」という経験であろうのに、「別に……」というような顔を目の前でされていたんでは(苦笑)。
本当に行きたい気持ちはないのかと食い下がる佐々木様に、どう説明すれば一番判り易いかとしばし考えたらしいダル君、こんなことを言ったのでした。
「もしも奥さんが、どうしてもアメリカに住みたいって言い出しでもしない限り……」
そして「尻に敷かれてるの?」と素早く突っ込んだ佐々木様に、「いや、決めるのは僕ですよ」と笑って即答したのです。
素晴らしいよダル。安心したよ。やっぱり君は最高だ!




本人が何度「関心ない」と繰り返そうとも、誰も彼も「そんな筈はない」という受け取り方しかしてませんからね。でなければ、「それではいけない、メジャーに行くべきだ」か。
去年の契約更改時、代理人の弁護士さんが、2億という大幅アップに「アメリカに行かないでくれということのあらわれかと感じた」みたいなことを言っていたのが印象に残っています。
79億円貰ったところで代わりのいない選手だということは、球団も勿論判っているでしょう。
ただ、それと同時に、「縛ることはしない」という球団の姿勢、私は好感を持っています。
反対に、FA権を得て自分の意志で去就を決められる立場であるにもかかわらず、「君が絶対必要だ、行くなと言って貰えなかったから」などと甘ったれたことを言って移籍を決める選手が時々いますが、ああいうのはどうも好きになれません。
そちらのブログにあった、大魔神佐々木との対談の話を拝見して、少し安心したところです(笑)。
ただうちの球団は、どうもドライすぎるというか、冷たいというか、功労者の扱いがよろしくない気がするんですよ。昔のことはあまり知りませんが、西崎にしろ、近くは小笠原も、幸雄も、金村も、奈良原も、いいやめ方をしてませんからね。「縛ることはしない」というのは体の良い言い方ですが、突き放したような態度が、昔からどうも目立つ気がします。それが気になります。
よく言われる「フロントが冷たいんじゃないか」という点ですが、私は「誰も特別扱いはされない、特権階級はいない」と好意的に捉えているほうです。
岡島のFA移籍や幸雄さんがコーチ就任を断った際に「強く求められてる気がしなかった」という言い方をしていましたが……このときたぶん、大方のファンは「冷たい球団だ!」と憤ったと思うのですが、私は「あ、そんな認識なんなら、じゃあこの人達にいて貰わなくてもいいか」と咄嗟に感じました。
貧乏球団ファイターズには、よそより多額のお金という形で「誠意」をあらわすことはできません。
ゆえに、かえって一見高姿勢に、「自分からここにいようと思う人だけいて下さい」という態度をとっていると思うのです。
その結果が、ホークスやマリーンズのファンから口惜しがられる「個々の選手の能力はこちらの方が上なのに、チーム力で負けてしまう」というファイターズの結束力を生んでいると感じています。
今いるベテランの主力選手達は、稲葉も金子も、「自分は功労者だから優遇されてしかるべき」などとは微塵も思っていないように見えますね。
ただ、去年、白井、佐藤、淡口コーチが突然クビになったときに、白井さんが「ぼくはこの球団のやり方を知ってる(からまだ我慢できる)けど、おふたり(佐藤、淡口)がお気の毒で……」と言ったのがひっかかってるんですよ。あとで島田球団代表は配慮のないやり方を謝罪してましたが、みな「功労者として特別扱いされない」から怒るのではなく、「功労にふさわしい扱いをされない」から怒るんだと思いますよ。もちろんどこまでが「ふさわしく」どこからが「特別」なのか、その線引きはわれわれ部外者にはわかりませんが、もし日本ハム球団が「これが正しいやり方だ」と思っていても、他球団がそうでなければ、やはり本人は「ふさわしい扱いを受けていない」「冷たい」と思うんじゃないでしょうか。まあそれが「金」の問題なら、部外者にはなおさら口をはさめませんが、岡島や幸雄の場合、それこそ昔の堤オーナーじゃないですが「おやりになりたいならどうぞ」というような態度だったんじゃないか……と邪推するわけです。だって、幸雄に対して「コーチをやりたいなら自分から積極的にやりたいと言いなさい」なんて、言えると思いますか?
小笠原がやめたのは、自分のことというより、新庄あたりの厚遇ぶりに対して幸雄など生え抜きの功労者への遇し方があまりに冷たいから、という理由がある気がします。金子や稲葉が「優遇されたいと思ってない」のだとしたら(たぶんそうでしょうけど)、「そういう球団の体質を知っているから、最初から期待してない」というほうが正しいんじゃないでしょうか。金子はたぶん何代かあとの監督候補で、いわば生え抜きのエリートでしょうから、猫をかぶってるでしょうけど、稲葉は……
そういえばセギがクビになったときも、確か日本シリーズ第2戦が終わって名古屋に移動するとき知らされたという話ですよね。それでセギの以降の試合へのモチベーションが大幅に下がったことは間違いないでしょう。「冷たい」だけでなく、チームの勝敗に響こうが関係ない、という「KYさ」が、みなの不信感を呼んでる気がします。言葉が大事なのに、言葉を大切にしない鈍感さ、無神経さが、一番の問題じゃないでしょうか。
月刊現代の記事中に出ていた、金子・稲葉のフロント評が印象に残っているもので……。
金子によれば「査定の基準がはっきりしているので納得できるし、他球団のようなゴネ得もない」ということで、稲葉は、社長はいつも声をかけてくれて、社長のためにと頑張りたくなる、と言うんです。
解雇のやり方のドライさは、伝え聞くオーナーの流儀から察するに、「メジャー流にしているだけ」ぐらいのつもりなんでしょうね(先日イチローのコメントで、連敗中に不振の選手が突然解雇されるなど日常茶飯だというのがありました)。
白井さんはクビになったのではなくて、フロント入りを要請されたのに御本人が辞退されたのだと聞いていましたが……違ったのでしょうか?
査定がしっかりしていてゴネ得がない、ということはつまり、「温情査定もない」ということですよね。日本で代理人交渉が一般化する前、「代理人を入れたらドライな金銭だけの交渉になって、「情」がなくなる」という声がありました。ほかの球団は知りませんが、うちに関してはそうなりつつあるのかもしれません。それがいいことか悪いことかわかりませんが、選手の間では、そういう球団なんだという認識はあるんじゃないかと思います。
白井さんの件は真相はよくわかりませんね。フロント入りを固持したという話は聞きましたが、そのあたりのやりとりは当人同士にしかわからないし……ただ梨田さんの後釜の監督の目はまだあると思います。梨田→白井→幸雄→金子、というのが球団の思い描いているコースかな、と思ったりして。